Mさんは80代の女性。もともと水泳が大好きで、週に何回もプールへ通っていました。
ところが半年前からお尻から太ももにかけて強い痛みが出るようになり、次第に日常生活にも支障をきたすようになりました。
病院では「特に異常は見られない」と言われ、痛み止めを処方されるだけ。飲んでもあまり効き目を感じられず、不安が募っていきました。
その後、症状を改善しようとご自身でも積極的に行動し、病院以外にも3軒の整体院に通いましたが、いずれも大きな変化は見られませんでした。
「もうこのまま良くならないのでは…」と諦めかけた頃、当院に来院されました。当院が4軒目の整体院でした。
初回の検査では、骨盤の歪みと背骨まわりの強い硬さ、そして臀部から太ももにかけての筋肉の緊張が目立ちました。
長引く痛みによって身体全体がこわばっている状態で、特に腰椎と骨盤の連動が乏しくなっていました。
坐骨神経痛は、筋肉の硬さ・姿勢の崩れ・神経周囲の循環の悪化など複数の要因が絡んで発生します。Mさんの場合も、これらが複雑に重なって症状を長引かせていました。
他院では主に局所への施術が中心だったそうですが、当院では「全体のバランスを整えること」に重点を置き、改善を目指しました。
初回の施術では無理な矯正や強い刺激は避け、骨盤と背骨を少しずつ調整しながら、神経を圧迫している筋肉の緊張をやさしく緩めることから始めました。
長く続いた症状は一度で劇的に変化することは少なく、根気よく身体の土台を整えることが大切です。Mさんにも「時間をかけてじっくり改善していきましょう」とお伝えし、週2~3回のペースでしっかり施術を続けていきました。
強かった足のむくみは、最初の1ヶ月の間にだいぶ軽減されていきました。痛みの強さに大きな変化はなかったものの、「施術のあと少し楽になる時間がある」とお話しいただけるようになりました。
2か月目に入る頃から、痛みの出る頻度や強さに変化が見られました。歩き出しが施術を重ねるごとにスムーズになり、近所への買い物も苦にならなくなっていきました。
3か月目には、外出の回数が増え、「散歩もあまり足の状態を気にせず行えるようになりました」と笑顔で話される場面も。姿勢の改善と筋肉の柔軟性アップにより、坐骨神経周辺の圧迫が減ってきたことが大きな要因でした。
4か月経った現在、多少の違和感は残るものの、痛みやしびれで外出をためらうことはなくなりました。以前のように生活にハリが戻り、表情も明るくなられたのが印象的です。
今月中には、趣味であった水泳にも再度チャレンジしたいとおっしゃっていただいており、こちらとしてもうれしく思いつつ、最後の違和感部分が取れるように更なる改善を目指して調整に通っていただいています。
坐骨神経痛は長引けば長引くほど改善に時間がかかる傾向があります。
Mさんのように複数の整体や治療院を回っても改善が見られないケースでも、原因を丁寧に見極め、身体全体を整えることで回復へと導くことは可能です。
「どこへ行っても良くならない」と諦める前に、一度ご相談ください。時間をかけながらでも、身体は少しずつ確実に変わっていきます。