karte.74 野球肩・ベースボールショルダー

今日は、冷えますね。夜には雪が?と言われているような寒い一日ですが、寒い日になると右肩がズーンと重くなるような痛みが出る時があります。

小学校4年生から大学一年までおよそ10年間野球をやっていたのですが、中学時代と高校時代に肩を痛めたことがあります。

今回はそんな私の体験談です。

野球肩というと、投げすぎで起こることがほとんどなのでピッチャーに多いスポーツ障害です。

中学時代は、1年生の秋くらいに新チームになったばかりの頃、3年生が抜けて試合にも時々出れるようになり当時はピッチャーでしたので練習以外にも自宅の父が作ってくれた投球練習場で球数など考えずにひたすら投げ込んでいました。

当時は、試合に出ればフォアボールで押し出しを必ずやるようなノーコンピッチャーでとにかく力いっぱい投げるしか知らなかったため、投球フォームもめちゃくちゃだったと思います。

 

成長期で正しくないフォームでたくさん投げ込んでいれば当然のごとく野球肩になりました。

肩の強さには自信があり、50メートルくらいならライナーで投げれていたのが野球肩になってからは一転、18メートルほどの投球距離ですら力を入れて投げれなくなり、それでも肩が痛いと監督に言えば試合で使ってもらえなくなるので言い出せませんでした。

肩痛

成長期のうちは安静にしていれば勝手に治ります。ちょっと肩の痛みがなくなってきたから大丈夫と勝手に判断し投球を再開してまた野球肩になることも多いので野球肩の選手がチームにいたり、お子さんが野球肩になってしまった時には、しっかりと野球肩のことを理解させることが重要です。

 

幸いにも、ノーコンピッチャーで試合で使い道がなかった私はしばらくはこそこそと全力投球しない様子が監督にばれないように練習していました。

その間にも肩以外のトレーニングをしっかりしたおかげと成長期であったこともあり、ひと月ほどで痛みはなくなり全力投球が出来るようになりました。

 

痛みが消えてびっくりしたのが、以前よりも投球のスピードが増していたことです。

野球肩で全力投球が出来なかった間に他の部位のトレーニングをやっていた効果と、肩をしっかり休めることが出来たのが要因ですが、明らかに球速が増していました。

回線鍵盤

小中学生や高校生で野球肩になってしまった選手が無理をして野球肩を悪化させてその後も野球が出来なくなるというのは本当に悲しいことで、もったいないことです。

野球肩になってしまったことをしっかりと自分で分析して、野球肩が治った時によりレベルアップした状態で競技復帰できるようにフォームを見直したり、その後の練習の取り組みを考えたり、トレーニングを勉強するいい時間だと思ってもらいたいです。

成長期の野球肩は、けっしてその後の野球人生にマイナスになることはなく肩をしっかりと休ませることでしっかりと体は成長してくれますのであせらず取り組んでください。

 

 

次に肩を痛めたのが、高校時代になるのですが、高校は公立ながら甲子園も狙えると言われていた高校に進み、運よく一年の春にベンチ入りのチャンスが巡ってきました。

当時は外野手で、一年生では唯一3年生との練習に参加させてもらい遠征にも帯同させてもらいました。しかし、キャッチボールなどの練習の相手は常に上級生、しかも高校から初めて使い始めた硬式球に慣れずに暴投をするたびに手が縮こまり、段々と全力投球しようと思っても山なりの球しか投げれず、しかも思ってもいない方向に球が飛んで行ってしまいます。

 

今でいう「イップス」という精神的なブロックが掛かり思った通りに体が動かせなくなるものですが、当時はイップスなどと言う言葉も知られておらず対処法も分からず、監督や先輩にはビシッと投げろと言われるだけで、そのまま高校2年の夏が終わり公式戦に出場することなく最後の一年がやってきました。

 

高校最後の一年は、イップスも克服し最後の夏にイップスが再発するまでは順調に競技を続けることができました。

引退後、大学で野球をすることは考えていなかったので野球部時代に出来なかった遊びと大学受験の勉強とでどんどんと体はなまっていきました。

 

秋のはじめにひょんなことから、大学でも野球をしたいと思い立ったところでセレクションを受ける準備のため久しぶりに野球部の練習に参加し、引退後休ませていた肩は思いのほか軽く、久しぶりなのに軽々投げられるため調子に乗って長い距離を投げた瞬間、肩に激痛が走りました。

 

その後は、なんとか一般入試で大学に進学したものの、野球肩の痛みが取れることはなく1年間故障者リストのリハビリ組として学生トレーナーの作ったメニューをこなしながらもなかなか野球肩が治らずに引退することを決断しました。

 

高校時代に野球肩になったのは、投げすぎではなくなまりきった体の状態でいきなり全力投球をしたことで体が耐えられなかったのが原因です。

 

投球動作は、一見は腕のみの動きにとらえられますが、実は全身運動で下半身で作ったエネルギーをいかに効率よく指先に伝えるかが重要です。

そのため、弱り切った下半身、可動域の少なくなった肩関節では肩に大きな負担をかけることになります。

よく、子供の運動会で張り切って転んで怪我をするお父さんがいますが、頭ではこう動かせると思っていても体がついてこないと怪我をします。

普段行っていない運動は、どんどん機能低下していきます。そこに気が付かずに全力を出すことは大変危険です。

2回目の野球肩も正しい知識とトレーニングの順番を守っていれば起こらなかったことです。

このように、野球肩は正しい知識とトレーニングのやり方を知っていれば起こらない、もしくはなってもすぐに治せる障害です。

 

本人や周りの大人がしっかりとした知識を身に着けて野球肩で野球を断念する選手が減ることを願ってやみません。


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