疼痛、姿勢、下肢長差などの原因による一時的な側弯状態で、弯曲は軽度で捻れを伴わず、その原因を取り除くことにより側弯は消失します。
脊椎のねじれを伴った脊柱の側方への弯曲であり、もとの正常の状態に戻らなくなった状態です。 このなかにはいまだ原因がわかっていない側弯症と、原因である病気がわかっている側弯症があります。
脊柱側弯症のうち80%前後を占めますが、その原因はいまだ不明です。家族内発生が多いことから遺伝の関与が考えられますが、いまだ特定の遺伝子は明らかになっておりません。
発症年齢により乳幼児期側弯症(3歳以前に発症)、学童期側弯症(4歳から9歳に発症)、思春期側弯症(10歳以降に発症)にわけられ、それぞれに特徴があります。乳幼児期側弯症には自然治癒する傾向にあるものと、強い進行を有するものがあります。最も高率にみられる思春期側弯症は圧倒的に女子に多く、側弯の型も共通性があります。
特発性側弯症が進行するかどうかを予測することは難しい点もありますが、年齢や弯曲の型、程度などが参考になります。一般には、年齢が若く、女子では初潮前や骨の成熟が未熟な例は進行しやすいと考えられます。
せぼね(脊椎)などに生まれつきの形の異常があるために、成長期に左右の成長に差が出ることから側弯症に進展します。泌尿器系や心臓などの他の多臓器にわたって生まれつきの異常がある場合が少なくありません。
神経が障害されたことによって、せなかや横腹に筋肉が麻痺したために脊柱を支える力が失われ、曲がってきたものです。
筋肉が萎縮する病気で代表される筋ジストロフィーなどの筋肉の病気による側弯症です。
マルファン症候群、エーラス・ダンロス症候群などの血管や結合組織の生まれつきの病気による側弯症です。
小児期の病気や外傷後の脊髄麻痺後や放射線治療後、やけどなどのケロイド、くる病などの代謝疾患などの様々な原因により側弯症が起こります。
①の機能性側弯に関しては、日常の生活習慣によって歪みが生じているものなので、施術をすることで容易に改善することが可能です。
矯正後に生活習慣を改めることで再発も防ぐことが可能です。
②の構築性側弯症は、骨自体の変形であるために完全に治すことは難しくなります。
しかしながら、成長期の骨がまだ成長しているうちであれば、大いに改善が望めます。
当院に過去訪れた患者さんのケースでは、14歳の女の子がお母さんに連れられて来院しました。
1年前の健康診断で判明し、他の治療院に行ったもののその場は改善してもすぐに元に戻ってしまう。
日常生活に現状は支障がないものの進行しないようにしたいという内容でした。
このケースでは、まだ身長も伸びている段階で、施術をすることで1回で側弯がほぼ消失しました。
数回の調整後は1週間で少しずつ戻っていましたが、5回目以降は戻りもなく側弯症が改善出来ているレベルになりました。
続いてのケースは、30代の女性で幼少期から4回の手術を行い背骨にボルトが埋め込まれている。
現在は進行はしていないものの、構築性の側弯に機能性側弯が乗っかり、背中の痛みや坐骨神経痛、腕のしびれが出ている状態でした。
こちらのケースでは、ボルトで固定されている。骨の成長は止まっているという状態でしたので完全に側弯が治ることはありませんでしたが、機能性側弯は改善され発生していた症状は改善されました。
構築性側弯は、二次的に歪みが強くなるケースが多く、今後もメンテナンスをしながらうまく付き合っていく必要があります。
3例目のケースでは、20代女性で小学生の時に側弯症と診断されて手術直前まで行ったものの成長が止まったタイミングが良くそれ以上進行しなかったために手術を逃れることができた。
生活している中で二次的な歪みが出てくると腰痛や背部痛、頭痛などが出てくることが悩みでした。
このケースでは、施術をすることで見た目に側弯がわからないレベルに改善しました。
病院で構築性と思われていた側弯も実は、二次的に機能性側弯が乗っている状態でした。
この場合であれば、側弯の改善が良好です。
病院で構築性の側弯であると診断されても改善しているケースがあります。
また、思春期の側弯症は骨の成長段階であれば改善する余地も大きくありますのでぜひご相談下さい。