腕の痛み・手のしびれの症例報告
先月、初来院された患者さんの症例を紹介します。
上腕を強い力で鷲掴みされているような痛みが常にあり、指先までしびれがある。
痛みで寝付きも悪く、睡眠導入剤を飲んでなんとか眠れているような状態。
病院に行くもレントゲンやMRIでは問題なく、とりあえず湿布と痛み止め、神経の疼痛を抑える薬を処方された。
このような処置の場合は病院では「原因不明」なのでとにかく現状痛みをなくすという対処療法が取られます。
今回の患者さんは薬では症状が緩和せず、むしろ日に日に悪化しているようだということで来院されました。
整形外科では診断がつかないので、心療内科を勧められるほどに、症状が慢性化して睡眠不足からうつ病手前のような状況でした。
このような症状を訴える場合は、頸椎椎間板ヘルニアや脊柱菅狭窄症が疑わしいのですが、レントゲン・MRIでは陰性。当院のヘルニア等脊柱の検査でも陰性でした。
参照:トリガーポイントマニュアルより
この場合次に疑わしいのが、頸部及び胸部、背部の筋肉の硬結がトリガーポイントになって上腕の痛みや指先にしびれを出していると考えられます。
こちらの図のように✖印の部分に筋硬結が出来ると赤い部分に痛みやしびれ、違和感を生じさせます。
今回の患者さんもこの斜角筋に触れると、日常の症状と同じ腕の痛みと指先のしびれが発生したため、斜角筋のトリガーポイントが原因であると推測されます。
頸部に硬結が出来る場合、ほぼ100%に背骨の歪みができています。
頭の重さを支えるために、頚椎ではなく頸部の筋肉が過剰に働いてしまうのは、頚椎の歪みがあるからです。
まず、カイロプラクティックの調整で頚椎を正しい位置に戻していきます。
この調整だけでも、首や肩の筋肉だけでなく、腕などの筋緊張もスッと抜けていきます。
その後、症状を引き起こしているトリガーポイントへアプローチしていきますが、背骨の調整によって筋緊張が和らいでいるので多少施術による痛みは軽減できています。
固く敏感になっている筋肉に対して不用意に強い力を加えると、損傷してしまったり、全く緩まないまたは反発して緊張することもあります。
背骨の調整を行ってから筋肉を緩めることは、そういったリスクも排除できるのでおすすめです。
今回の患者さんは、症状の原因がシンプルであったため、5回ほどの調整で症状がほぼほぼなくなりました。
現在はしっかりと腕の痛みと指先のしびれの症状をゼロにすることと、再発しない体つくりのためにご来院いただいています。
腕の痛みや指先のしびれは、原因によっては改善に時間がかかるものもありますが、正しく原因を理解して処置をすれば必ず改善に結びつくものですのでお困りの方は一度当院までご相談下さい。
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