karte:45 温めるor冷やす

肩こりや腰痛、頭痛などなど身体の痛みというと全身くまなく起こる可能性がありますが、痛い患部を温めたほうがいいのか、冷やしたほうが良いのかは、よく来院される患者さんから質問されます。
意外と判断基準がしっかりわからずにとりあえず冷やしてみたり、温めたりしてみたり。

冷やす、温めるということでそれほど重篤な副作用はないので、たとえ間違った選択をしてしまっても一時的に症状がまして辛い思いをするくらいですが、出来るならば少しでも辛い思いをする人が減ることと、症状の緩和に繋げるための正しい情報を伝えたいと思いこちらにまとめました。

冷やすというのはいわゆるアイシングで、主に外傷などで用いることが多くRICE処置と言います。
安静 Rest
冷却 Icing
圧迫 Compression
挙上 Elevation
のそれぞれの英語表記の頭文字を取って「RICE」と呼びます。

捻挫や打撲といった怪我の場合は、損傷部位に血流が集中します。これがいわゆる炎症のもとになるのですが、炎症は傷を治すために起こっている免疫反応ですので、促進したほうが傷の損傷は早まります。

しかし、捻挫や打撲の際に経験がある方もいらっしゃると思いますが、炎症部位は腫れが生じます。
この腫れ自体も、損傷部位を治すために集まってきた血液やリンパ液ですが、腫れによって周囲の正常な細胞さえも圧迫してしまい、二次的に他の細胞に悪影響を与えることがあります。

そのために、RICE処置を行い損傷部位の血流を減らすことで、結果的に回復を早めることを目的としています。

明確に、冷やすほうが有効であると言えるのが、ここまでに書いたような捻挫や打撲のような怪我であり、それ以外の痛みに関しては冷やしても温めてもどちらでも良いと言えます。

全く逆の行いのように思われるかもしれませんが、温めると筋肉が緩んで血流が増大します。冷やした場合は、冷やされた後にリバウンドで血流が良くなります。
そのため、怪我の際のアイシングは氷などを交換しながら何回も行う必要があります。
慢性的な、こりや痛みに関しては冷やしても温めても症状の改善に大きな差は出ません。

偏頭痛などで、血流が増大することで痛みがでる症状もありますが、温めて症状が増しても偏頭痛自体が悪化しているわけではないので温めて辛ければ冷やすように変更すれば良いのです。

温める、冷やす議論になるときに最も多く意見が分かれるのが、ぎっくり腰や寝違えなどの、急性期の怪我のようなものについてです。

ぎっくり腰や寝違えは、外から加わった力によって損傷しているわけではありませんので怪我ではありませんが、多くの方が急に痛くなったものなので怪我と判断します。

ネットで調べてみても、ぎっくり腰は冷やすと書いてあるページが多く、医療者の間でも怪我と認識している人が多いようです。
ぎっくり腰に関しても、先程にも述べたように怪我ではないので冷やしても温めてもどちらでも問題ありません。
どちらでも一定の症状の緩和効果が望めます。

しかしながら、ぎっくり腰の際に湯船に浸かって温めるのだけはおすすめできません。
湯船に浸かるときは腰を丸めた状態になるために、そのまましばらく浸かっていると立ち上がる時に腰が抜けたように、はたまた痛みで腰が反らせなくなります。

おそらくぎっくり腰で温めて症状が悪化した人というのは、このように湯船で温めてしまったのだと考えられます。
シャワーやホットパックで温めて悪化した人を見たことがありませんのでぎっくり腰に関しても怪我ではないのでどちらでも良いと考えられます。